2010年6月2日水曜日

鳩山由紀夫首相辞任。歴史的な政権交代からわずか260日。民主党への評価と、僕が考える政治の話。

歴史的な政権交代からわずか260日。鳩山由紀夫首相の辞任が発表されました。いったい、日本の政治の現場では何がおこなわれているのでしょうか。メディアを通して、本当の姿は国民に伝わっているのでしょうか。今のところ(2010年6月2日18時現在)、twitterの@hatoyamayukioは沈黙を守ったままです。

2009年8月30日。1955年の結党以来、それまで第一党を守り続けてきた自由民主党の長きにわたる政権が終わりました。そこで樹立したのが、現在の民主党政権であります。日本の歴史を大きく塗り替える、と多くの国民が色めき立ったことは今も記憶に新しいまま。民主党の政治手腕に対しては賛否両論ながら、日本の政治に大きな転換点が打たれたこと、そのことを喜ばしく感じていた人は多かったはずであろうと思います。

僕は個人的には、鳩山首相はよくやってくださった、と思っています。

多くの敵を作りながら、それでも頑張っていらっしゃった。宇宙人だポッポだと馬鹿にするひとは多くいましたが、それは政治家に対して非常に短慮な見方だと思います。そういう見方がまったくダメだとは思わないし、政治家にもそれに耐えるだけの筋力が必要なのですが、普天間基地の問題を通して、首相はその筋力をも失ってしまわれたのだと思います。辞任の演説の文章には、悲痛な叫びを感じました。短い期間ではありましたが、ご苦労様でした、というのが僕の素直な印象です。

さて、そのように言うと、僕を民主党の支持者だと思われる方もいらっしゃると思いますが、僕は基本的には民主党の支持者というわけではありません。ただ確かに、民主党には応援したいと思える政治家さんが何人かおります。

僕は小さく効率的に時代に従った運営をおこない、公平な市場の形成を維持し、人々の安らぎや健康を重視した福祉を行う政府が望ましいと考えています。

また、いま多くはびこっている不正な既得権益を不当に保護する規制についても徹底的な見直しをお願いしたいです。僕らのような「持たざる若者」にとっては、このような規制がもっとも大きな壁です。これは政治主導でなければできないことなので、ぜひ力強く改革を行う政府を望みたいと思っています。

民主党は福祉については積極的に取り組む姿勢を見せていました。僕はこれを評価すべきことだと考えます。確かに、残念ながら運用方法は適切とは言えず、不十分だと思われます。しかし、子ども手当という仕組みをスタートさせたことは僕は素晴らしいと感じています。民主党の掲げる「チルドレン・ファースト」という言葉はもっと大きく掲揚すべきです。

ただ、民主党は残念ながら、非効率的で大きすぎるのです。偉そうな言いかたではありますが、僕にはそのように思えます。また、労組などの支持母体の影響を強く受けてしまうことは公平さをかいていると感じます。ただ、自民党に比べれば、はるかに望ましい政治を行ってくれたと僕は思います。

その意味で現時点でより望ましい運営をおこなっていると僕が考えるのは、まず、みんなの党です。みんなの党は特定の組織や支持母体を持っていません。ネットによる個人献金などから、ひとりひとり「みんな」の意志に根ざした政治を目指しているようです。これは評価に値することだと思います。

みんなの党のその姿勢は、理想主義的だと批判されますが、そもそも今の政治には無駄金がかかりすぎていると僕は感じます。新しいルールをつくるときには、もちろん金がかかるので、そこに使われることは構いません。しかし、今の金の使われかたは一体どうでしょうか。公務員の過当な保護などは即刻見直されるべきです。そのようにして財源の捻出をはかるべきだと思います。

ただ、一方で、新自由主義的なみんなの党には、市場を信用しすぎるがゆえに、市場では保護されない弱者への視点や、市場が行う不正に対する監視の目が欠けていることも心配です。僕が真っ先に思いつく具体的な例で言えば、まさにセクシャルマイノリティや、HIV/AIDSなどについての問題です。食肉偽装や労働災害問題、自殺率の増加なども、これに含まれます。

そこを補うことができるのが、民主党や社民党の一部の、心ある政治家さんたちである、というのが僕の考えです。みんなの党とは、方向性が大きく違う政党ではあるので、連立政権などはさすがに難しいかと思われるのですが、政治家レベルでは手を組むことも可能だと僕は考えます。

同性愛者をはじめとするマイノリティの観点から語れば、みんなの党の政策である道州制の導入などは魅力的です。マイノリティに公平な法律やルールをつくるには、まず自治体レベルまで大きく権限を委譲することが近道だと思います。ここで問題となるのは地域格差についての問題ですが、それについては反論も多くあると思いますし、議論すべき点だと思います。

僕は以前から、ひとつの政党のみを支持する必要はないと考えています。国会はひとつの政党だけで構成されるわけではないのですから。この政党のこの点はよく、この政党のこの点はよくない、というように、政党の多面性を認識したほうが、よりよい政治を考えられるのではないかと思うのです。

インターネットの利用によって、これから僕は真の間接民主制が興るのではないかと期待しています。必要なのは、インターネットをもっと活用することです。

多くの分野の専門家がブログやtwitterを通して政治に対する意見を発信し、情報感度と政策に対する理解度の高い政治家がその意見を収集し、選択し、政治家がその選択をブログやtwitterを通してシェアし、それに対して国民が投票をおこなう。これが僕が期待している間接民主制です。これからの政治家に求められるのは、優秀な政策をつくる力ではなく、優秀な政策をさがし、えらぶ力ではないでしょうか。

そのためにも、より若く、情報感度の高い政治家が増えることを願っています。

民主党の話に戻りますが、正直なところ、民主党が行ったことで、もっとも大きかったのは、多くの老齢の政治家たちを政治の現場から追い出したことではないかと思っています。これについては下記のエントリを見てみると、面白いです。

小沢一郎氏の“本当の功績”
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090901

追記:twitterの@hatoyamayukioでも辞意が伝えられました。


これは歴史に残る辞意表明ですね……。