2010年7月20日火曜日

参院選を通して、考えた税金の話。

第22回参議院議員通常選挙が終了しました。って、今さらながらですが。

僕が支持していた候補、松田公太さんは当選。さらに支持政党のみんなの党も躍進しました。もうすこし早くこれについての記事を書きたかったのですが、出遅れてしまいました。レポートや試験の季節なので(言い訳)。

選挙にあたってはいくつもの争点がありましたね。その中でも特にメディアで大きく報じられていたであろうと思われるのは、発足したばかりの民主党政権に対する中間評価、といった側面でしょうか。

その側面を中心として、普天間基地の代替移設問題、外国人参政権の付与可否、消費税増税、行政刷新会議、夫婦別姓、子ども手当、公務員削減、赤字国債、天下りなどといった複数の論点――とまあこんな感じかな、と素人ながらに選挙の動向を見守っておりました。

今回の参議院議員選挙を通して、僕が最も重要だと感じたのは「税金」の問題でした。

根本から考えてみると、政治――国家の仕事って、実にシンプルな仕事ですよね。

それは、国民から信頼を得て税金を預かり、それを国家運営――国民に提供するサービスのために使う、ということです。

それは一種の会社経営にも似た営みではないかと僕は考えています。しかし、国家と会社が根本的に違う点があります。それは、原則的に僕たちは国家のサービスを強制的に購入しなければならない、ということ。すなわち納税義務がある、ということです。国家からは強制的に(税の)支払いを求められますし、国民が要求するしないにかかわらず、サービスが提供されます。

さて、なぜそのような「国家」が必要なのか。市場経済では提供不可能だけれど、必要とされているサービスが存在するから、というのがその理由のひとつだと僕は解釈しています。

たとえば、警察。

警察は国の税金で運営されています。警察は僕たちの日々の暮らしを守ってくれています。罪を犯せば罰せられるという原則を世の中に保ち、犯罪などから僕たちの身の安全を守るために、警察官のみなさんが働いています。

おおむね国民はこの警察というサービスの提供を望んでいると思います。また、例に上げた「警察」以外にも、「国防」や「裁判」や「医療・福祉」などといった「公的なサービス」があります。

けれど、このサービスを市場で商品として提供するというわけにはいきませんよね。警察に対して「私は自分の安全は自分で守るからこのサービスに対価(税金)は支払わないわ」なんていうAさんがいたら、そもそもサービスがなりたちませんからね。

そういうわけで、日本国憲法の30条には、国民の三大義務とされるもののうちのひとつが定められています。すなわち、「納税の義務」。

けれど、世の中には金持ちもいれば貧乏な人もいます。大金を稼げる能力を持った人もいれば、病気で働けず稼げない人もいます。貧乏な人や病気で稼げない人に対して、丈に合わない税金を納めろ! なんていうのは、非情ですよね。当然、少し余裕のある人は彼らの納税分を代わりに助けましょう、という話になります。

また、「公的なサービス」の恩恵を強く受ける人とそうでない人がいます。若者に比べて、高齢者のほうが、医療や福祉の公的なサービスの恩恵をたくさん受けると思います。また、東京都民と沖縄県民では、生活保護を受ける人の人数も割合も違います。

こういったところから生じる、税負担の不公平感を解消するために、課税には様々な仕組みが設けられています。たとえば、タバコや酒などのぜいたく品にはより多く課税したり、所得の高い人間にはより多く課税したり、使途が定められた目的税とそうでない普通税を分けたり……といった仕組みです。

こういった税の仕組みについて、僕はこの参議院選挙を通して考えるようになりました。そして、僕はこの「税負担の不公平感」こそが政治への不満の、もっとも根本的な点なのではないかと思うようになりました。

たとえば、今回の選挙について考えると、たとえば以下のような感じです。

  • 子ども手当の財源はどこの誰が支払う税金から出てくるのか。
  • 赤字国債の補填はどこの誰から支払う税金から出すのか。
  • 現在いろいろと行われている公共事業は我々が負担する税金で行う価値があるのか。
  • 公務員や官僚は安定した給金を貰っているようだが我々の税金をそこまで彼らに支払う必要があるのか。

たとえば、医療や福祉についての税負担は、確かに一部の人達のためにみんなの税金が使われています。けれど、その一部の人達を支えることが、みんなの安心にもつながります。ですので、多くの人々がこの充実を願ったりするわけです。

一方で、一時期話題になったような「はやぶさ」への公的支出はどうでしょうか。はやぶさを支えることで、日本国民がどれほどの恩恵を受けるでのしょうか。科学・宇宙技術の進展は確かに日本国民に恩恵をもたらすこともあるでしょう。しかし、現在の公的支出は、その恩恵にみあったものでしょうか。事業仕分けでは関連予算が「削減」とされていましたね。

こういった公的支出と税負担とのバランスをいかにコントロールするか、これが政治家のお仕事の実に大きいポイントだと僕は考えます。

今回、東京選挙区では蓮舫さんがトップ当選を果たしました。東京選挙区はいわゆる「地盤」や「組織票」の影響力が他の地域に比べて小さい「浮動票」の占める割合が大きな地域です。すなわち、純粋に政治家の仕事や姿勢に対して、投票行動が反映される傾向があります。

蓮舫さんがダントツのトップ当選を果たしたのは、この「公的支出と税負担のバランス」という問題に、行政刷新会議(事業仕分け)を通して切り込んだという点が大きいと思います。僕も蓮舫さんは支持していました。

今回の選挙は、僕にとっては政治というもの、そして税金というものを、より身近に捉えるきっかけになりました。

消費税増税の前にやるべきことがある。

みんなの党の主張はその点で明確で、支持できる政党だと感じました。また、公的支出を効率よく医療・福祉に充当し、ミニマムインカムなどの生活を重視した政策を掲げています。民業圧迫を押しとどめ、経済成長に重点を置く点についても、将来世代(若年層)への配慮が強いと感じました。ミニマムインカム導入や道州制の導入などについても、賛成です。

今回の選挙を通じて考えた税金のこと。

僕たちは、もっと税金がどこの誰によって負担され、何に使われているのかを明確にしる必要があるのかもしれません。あるいは、政治家によってそれはもっと明確にされるべきなのかもしれません。

手始めに消費税についてもっと知ろう、と考えて、昨日こんな本を買いました。いま読んでいる途中です。

斎藤 貴男
講談社
発売日:2010-07-16

消費税って、いったい誰が誰のために払っているんでしょうか。

消費税は、本当に「消費者が」払う税なのでしょうか。

また、消費税は「消費」にかかる税金ですが、消費を抑制することにつながるのではないでしょうか。

また、地方の消費と都市の消費、若年層の消費と高齢者の消費には、大きな差があるのではないでしょうか。

税金の多くは成人してから納めるものですが、消費税は子どものころから支払ってきました。

そんな身近な消費税のことから、税金について僕はもう少し考えていきたいと思います。

追記:
この記事、書き終えてから将来世代(若年層)が大きく負担せざるを得ない「国債」についてもっと触れるべきだったと後悔しました。