2010年9月17日金曜日

ボーイズラブを読んでいた。

はじめて男同士の恋愛を描く作品に出会ったとき、そのとき僕は中学生でした。

そのころ、僕の家の前には本屋がありました。本の大好きな少年としてすくすく育っていた僕は、そこへ通いつめていたのです。学校の帰りがけに、かならずといっていいほど、毎日のように。

お気に入りの本棚を物色して、足腰の痛みに耐えながらも姿勢を変えながら、立ち読みにふけっていました。


僕の興味の中心はミステリーでした。

いっぽう、そのころはライトノベル系のファンタジーなんかにもめっぽうはまり込んでいました。僕の大好きな作家・小野不由美さんなんかはライトノベルも実は結構出していて、ちょうどそのころ僕はライトノベルとエンタメの境を行き来するように小説を読んでいました。

特にライトノベルで乱読していたのは富士見ファンタジア文庫の作品です。それこそあの背表紙の文庫なら何でも読む、といったような感じでした。

スレイヤーズやオーフェンだけじゃなくて、メルヴィ&カシムなんて、分かる人いますか? 冴木忍さんは全部好きでしたね。なかなか良質なファンタジーを書いていたと思います。

とにかくあのころ僕は小説をやたら読んでいました。それ以外にはあんまり娯楽もなかった。

それであまりにもどれもこれも読むものだから、田舎の小さな書店の「富士見」棚をすっかり制覇してしまった僕は、次に面白いレーベルはなんだろうかと、文庫棚を物色し始めたのでした。

勘のいい方ならもうお気づきかもしれない。そう、角川ルビー文庫。

もともと角川スニーカー文庫からBL系の作品を引継いで独立させたレーベルなので、いまでこそBL系の棚にはっきりとわけられているレーベルですが、当初はライトノベルの棚と隣り合わせて置かれていたんですね。

もうすでに当時自分のセクシャリティは自覚していたものの、BLなんて存在を知らなかった僕は、それが男同士の恋愛を描いた作品だとはつゆほども思わずにその作品を手にとったのでした。

僕は、そこにあった「耽美」という言葉から、ああ要は女性の憧れるエロティックな恋愛ものを描いているのだろう……とだけ考えていました。

僕はその頃すでに自分が男好きだという自覚はありました。

が、他の中学生と同様に、単なるエロいことに興味をもちはじめたガキンチョであることには代わりはありませんでした。

コンビニの18禁棚でデカい乳みせているエロ本に対する興味はまったくなし。けれど、まつげの長い美丈夫が表紙に描かれたその本には興味を持ったのでした。

ライトノベルの棚に近かったのもあって、ライトノベルを立ち読みしているふうにしか見えないだろうと、僕はその本の立ち読みを始めました。

が、どうも読んでみるとおかしい。

所詮エロ小説だしと、エロいシーンだけ飛ばして立ち読んじゃえとサクサク読み進めようとすると……

あれ……

あれ……

あれ????

これって、ヤッてんの、両方とも男じゃね???

うっかり途中まで気づかなかったんだけど(受けがどうも中性的な名前だったのと、あと、局部の表現が隠語だったんで分からなかった)、しばらく読み進めてから気づきました。

まさか、男同士のセックスなんてもんを本にしていることがありえるとは、そのころ思いもよらなかった僕は、そわそわしながら、でも好奇心を抑えることは出来ず、人に見られていないかを気にしながら、読み終えました。

これはすごい。

そしてそのころ、図書館によく通いつめていた僕は知っていました。

このレーベルの本、確か図書館にいっぱいあった!!

スケベごころ丸出しで恥ずかしい話ですが、中学生なんてこんなもん……ですよね?

図書館の人の少ないスペースで隠れるようにBLを読み進めたあのころ。なんだかいまでも懐かしいですね。