2010年9月30日木曜日

可食域の拡大

様々な生きものは、モノを食べて生きていますね。

草を食べる動物も、肉を食べる動物もいます。僕は男を食べます。……すみません。いや、今回は純粋にごはんの話です。


ほかの動物と比べて、ヒトの食事の特徴は、調理をするということ。切り刻んだり、皮を剥いだり、湯に通したり、混ぜあわせたり。特にその最も大きい違いは、火を通すということ。

それはすなわち、消化という行為を、自分の身体の中にある胃腸だけに任せずに、自分の外部にある道具などに頼るということ。ある意味で、自分の身体を拡張しているのですね。

自分の胃腸だけでは消化できぬものを食するために、身体を拡張する。自分の消化手段を拡大することで、可食域を広げている。

可食域の拡大は、文化として行われているという側面もあります。

周囲と食の感覚を共有する、価値観を同じくするという行為が、可食域を広げている。

本能的に食べられると感じて、僕たちは生魚や納豆に手を出すわけじゃないんですね。生まれて以来、僕たちが本能的に食べられると感じて、食べたものってなんでしょう。

たぶん、共通するのは母乳ですよね。

けれど、僕たちは本能的にいろいろなものを食べるわけじゃないと思います。周囲から「これは食べられる」「これは美味しい」と教えられて、食の文化を共有して、その結果、いま様々なものを食べているんですね。

日本の食の文化が豊富なのは、この「可食域を拡大する」のを得意とした文化があったからなのかなあと僕は考えています。

自分の身体を拡張するのは、すなわち技術。ものづくりの国と呼ばれた日本の得意とするところ。

「ねえこれ美味しい」「食べて見なよ」「あっ意外と行ける」「こうしたらもっと美味しいんじゃない」。

日本人は、周囲と価値観を共有するのも、外部からなにかをとりいれて育てちゃうのも、結構得意なイメージがあります。

日本のカレーうまいよね。カツカレーとか納豆カレーとか、これだけ根付いちゃうのは結構すごいと思うのです。