2010年10月25日月曜日

宇多田ヒカル本人によるベストアルバム否定騒動におもうこと

Universal Japanから発売が発表された "Utada the best" について、当の宇多田ヒカル本人のtwitterから否定的なコメントが出てきました。話題になっていますね。




一連の流れについて、詳しくまとめたようなのは、いろいろなところで出ています。発端となったヒカル本人のtwitterはもちろんだけど、とりあえず必見なのは、公式サイトの表明です。

今の気持ち - U3MUSIC INC 今の気持ち  - U3MUSIC INC

僕の場合に限って言えば、Utadaの "Exodus" も "This is the One" もすでに持っているし、ヒカル本人にこんな声明出された以上、よもや買うはずもありません。まあどっちみち、経済力的にも、どちらかひとつ買うくらいしかできなかったけど。

でもなにより "Exodus" も "This is the One" もそれぞれアルバムとしてすでに完成しています。これをくっつけて混ぜただけのベスト盤など、本人が言うように「全く心のこもってないもの」だというのは、歴然です。

おそらく本人がこのような声明を出さなかったとしたら、上述2作をすでに購入していたファンは、このベストアルバムには相当がっかりさせられただろうと思います。僕もそのはずです。だって、まさか新曲がひとつもはいっていないどころか、曲順までバラバラ! こんなふうに混ぜた意図って、一体何? せめて順序は明確なコンセプトを持たせようよ。

宇多田ヒカルはファンに対してとても真摯な表明をしたと思います。これまでも彼女のプロフェッショナルな姿勢について素晴らしいと思うことは多かったですが、今回も同様です。

そんなわけで僕は「真摯な作品」であるほうのアルバム "Utada Hikaru Single Collection vol.2" を楽しみにしています。

宇多田ヒカル
EMIミュージックジャパン
発売日:2010-11-24

さて。

アーティスト本人の意志に反したかたちで "Utada the Best" が発売されることは、本当に残念です。

けれど、宇多田本人がtwitterという、ファンと直接交流が出来る場所でこういう声明を出したことに、僕は正直なところ、ちょっと――

いや、ちょっとじゃない。

けっこう、テンションがあがっています。

不謹慎?

でも、正直なところ、今回のヒカル本人の声明で浮き足立っているファンは少なくないのではないかなあと思います。

活動休止直前。宇多田ヒカル本人からのファンへの呼びかけ。レコード会社にいってもどうにもならなかったことを、思わず直接ファンに呼びかける。twitterという拡散する巨大なメディアで、この最後の呼びかけがどこまで通じるか。

こんなドラマ、ファンのテンションがあがらないわけがないです。

「EMIから出されるシングルコレクションの売上に貢献して、Universalのアルバムは不買だ!!」

血気盛んなファンは、いますぐこう触れまわりたい気持ちなのかも。僕も似たようなもの。だからこんなブログを書いているし、twitterでおもいっきりリツイートかけたしね。

それは「自然な反応」だと思います。

そのなかには、間違ったものをみつけたときに湧き上がる、ある意味、下卑たような感情が含まれているとも思います。「鬼の首を取った」っていったらいいかな。この場合は、ユニバーサルの首。

けれど、その下卑た感情を、よろしくないところもあるとは思いつつ、僕はあんまり否定出来ないなとも思っています。多分、だれにでもあるんです。

ただ、先ほどリンクを貼った公式サイトのダイアリーでの本人の声明を読めば分かるように、ヒカル本人は、一連の意見を表明しながらも、現場で働くUniversalの社員への配慮や、レコード会社が会社として商売をしなければならないということへの共感も書いてます。

だからまあ、そのへんは汲んで、あまり過剰なバッシングにならないように、かつ、ヒカル本人にとって事態が好転することを望むのがいいのかなと思っています。

はい。

ところでもっと残念なのが、活動休止によって、 "Utada" の新曲が、すくなくとも活動再開まで発表されないことですね。

全編英語詞の "Utada" 名義作品、ほんとうに名曲が多いと思っているのです。ぜひ、また、新曲をいつかだして欲しいです。

これを機に "Exodus" と "This is the One" を聞きなおしたりしています。

Utada
ユニバーサルミュージック
発売日:2004-09-08

Utada
Import
発売日:2009-05-11

本当にいいアルバム。

もし "Utada" が好きだというひとは、前に "Kremlin Dusk" のレビューを書いたのがあるのでもしよかったら読んでください。

ポーの「大鴉」を題材にとった、Utada「Kremlin Dusk」を聴く。 ー 男色系男子