2010年10月24日日曜日

今期ドラマの大本命「Q10」を手掛ける「河野と木皿」 

木皿泉という脚本家を、そして、河野英裕というテレビドラマプロデューサーを御存知でしょうか。


木皿泉だけならば、知っている人も多いかもしれません。「木皿泉」は、50代の男女で構成される二人組の合同による筆名です。熱狂的なファンをかかえる脚本家です。

二人でひとつの筆名をもち、合同で作品をつくる作家は古今東西を追えばさほど珍しいものではありません。古くはエラリー・クイーンがそうだったし、最近であれば文藝賞をとった「大森兄弟」が兄弟で作品を書いています。

この「木皿泉という脚本家」は、シチュエーション・コメディ・ドラマの傑作「やっぱり猫が好き」の脚本を担当したことをきっかけにタッグを組んで誕生しました。

その後、現在にいたるまで脚本家としての活動を続けていますが、3作目の「セクシーボイスアンドロボ」を担当した2007年、入籍を済ませ、現在は夫婦で脚本家活動をしているようです。

以下は、木皿泉の連ドラ作品のリストです。すべて日本テレビです。
  1. すいか(2003年、小林聡美・ともさかりえ主演)
  2. 野ブタ。をプロデュース(2005年、亀梨和也・山下智久・堀北真希主演)
  3. セクシーボイスアンドロボ(2007年、松山ケンイチ・大後寿々花主演)
  4. Q10(2010年、佐藤健・前田敦子主演)

これだけ書くのだから、もちろん僕は第1作目「すいか」からの木皿ファンです。この「すいか」という作品は2003年、ちょうど僕にとっては受験シーズンに当たる年に放送されたものでした。

受験シーズンにもかかわらず、土曜の夜、僕はこのドラマをみることだけは決して欠かしませんでした。

このドラマの主題歌「桃ノ花ビラ」を歌っていたのは、当時はまだ無名の大塚愛でした。僕はあまりにこの「すいか」というドラマにハマってしまったので、その当時、夜中にたった30分だけやっていた大塚愛のラジオまでチェックしていたくらいです。ラジオを聞きながら赤本を解いていました。

この「すいか」ですが、僕の熱狂に反して、視聴率はとにかく低く、初回こそ10%をとったものの、その後は常に1桁でした。ドラマの放送終了後、公式サイトのトップページには「視聴率の低迷を素直に認めるが、しかし素晴らしい作品をつくった」というような、プロデューサーからの声明が載ったのを覚えています。ただ、今は探しても見つからないし、文面は覚えていません。

この視聴率の低迷にもかかわらず、この木皿泉という脚本家を重用し続けたのが河野英裕というプロデューサーです。河野さんのtwitterアカウントはこちら。「野ブタ。をプロデュース」の主題歌をつとめた「修二と彰」にならって、僕はこっそり「河野と木皿」と呼んでいます。

この「すいか」という作品は当時の視聴率こそ振るわなかったものの、後に向田邦子賞を受賞しました。ドラマファンのあいだでもこの年の作品のベストに本作をあげた評論家は数多くおりました。

いま放送されている新作「Q10(キュート)」でもその才能は発揮され続けています。

僕は、木皿泉さんは物語そのものというよりも、物語の中でたったいくつかの「ことば」だけをつたえるためのドラマを書いてる感じがするのです。

登場人物はキャラクターで、物語はストーリーで、ただしセリフはことば。っていう表現が伝わるかどうか。

そのことばこそが作品の真価だと僕は思っているので、ネタバレを配慮してここに書けないのが残念ですが、今期のドラマ「Q10」はやはり大本命だと思っています。人によって好き嫌いはあるとおもうのですが、僕は好きです。

僕は好きです。

木皿 泉
双葉社
発売日:2010-09-28

バップ
発売日:2011-03-18