2010年12月20日月曜日

「たとえば今夜一緒に歌って そうか きっと僕らであうために生まれた」THINK ABOUT AIDSでFUNKISTが僕におしえてくれたこと

FUNKISTというバンドを知っていますか。

僕もつい先日まで知りませんでした。7人編成のバンドで、音楽のジャンルは…なんだろ、ファンク? ほんとに知ったばかりだから、よくわかってません。

THINK ABOUT AIDS――東京FMとLiving Together計画のコラボで生まれたイベント。3年続いたこのイベント。先日行われたファイナル、最終回に参加してきました。


僕は、バイトの都合でいつものメンバーと一緒にスタッフ参加することは出来ませんでした。

なので、お客さんとして、参加。会場についたら、スタッフのメンバーから「会場はあちらですお客様」仕方ないじゃん、バイトだったんだもんよ! 準備手伝えなくてごめんよ!

とはいえ本当に、観客のひとりとして、楽しむつもりできました。

毎週、毎週、新宿2丁目の街にコンドームを配りながら、Living Togetherというメッセージを扱ってきたひとりとして。

このイベント、僕は少しでも多くの人が、HIV/AIDSについて "We are already Living Together." という考えかたが広まってくれればいいな、との思いで、楽しみにしていました。

HIVをもっているひとも、もっていないひとも、どっちだかわからないってひとも、
ぼくらはもう、この街で、すでに一緒に生きている。

バイトを終えて会場につくと、すごいお客さんの数。女性のひとがたくさん。

「ははあ、そうか、このひとたち向井理のファンなのかな」

複数の芸能人を迎えて行われるこのイベント、今回のゲストにはMEGUMIや向井理など、人気のタレントさんたちが揃っていました。それでそのファンの人達も参加していると。

こうやって、普段、HIV/AIDSに関心がないような人達も集まってくれることで、関心の輪が広がっていくんだよね、なんて思いながら着席。一番前のいい席を確保して、もらった資料を確認。ゲストの名前をチェックして、そこにその名前がありました。FUNKIST

知らないグループだな。売れてないミュージシャンなのかな。それが正直な第一印象でした。けれど、その僕の印象は思い切り覆されることになりました。

「ふーん。FUNKISTね。へー」

そんな気持ちでいた、数十分後。ライブがおわるころには、隣に連れてきていた友人のほうを向けないでいました。

「感動した……」

みっともないくらい涙がぼろぼろこぼれてとまらなかったんです。

こういうイベントのライブというのは、アーティストにとってイメージアップにつながる一方で、HIV/AIDSという課題にとりくむ側にとっても、集客につながる――というのが僕の認識でした。だから、お互いに持ちつ持たれつな「タイアップ」だと。

そんな感じで、名前を見たときは、まあ「頑張ってるのね」くらいの、ごく普通にマイナーミュージシャンみたときくらいの印象でした。

HIV/AIDSだけではなく、こういった啓発イベントで出てくるアーティストに、正直なところ僕は、パフォーマンスそのものへの期待とかはあんまりしてなかったんです。

いままで何度かHIVとかLGBTとか、そういうイベントのパフォーマンスをみてきたけれど、お世辞で褒めることはあっても、本当に「すごい!」「よかった!」「感動した!」ってことはあんまりなかったんですよね。せいぜい好感度があがったりするくらいで。

僕は普段ファンクとかほとんど聞かない人間で、基本的にはエレクトロとかが中心。ロックミュージックにも縁遠いし、バンド編成のミュージシャンって、だいたいハナから興味があうすいのでした。

でも、FUNKISTの音楽には、思いがけず、胸が詰まってしまったのです。魂を揺さぶられるような表現って、こういうことなんだと、僕はその時思いました。

Living Together――多分僕には、このメッセージを「つたえる」側だと思いあがっていたところがあります。

HIV陽性者もそうでないひとも、一緒にこの街に生きていて、僕らは一緒にすでに生きていて、僕らはすでに友だちでいて、そういうリアリティをもっともっと共有してほしい、そういうつもりでこのメッセージを扱っていました。

We are already Living Together.

思いがけず僕はそのメッセージを、そのライブでつたえられてしまいました。身を持って体感したんです。たぶん彼らのライブには、あとふたつ単語がうしろについていたかも。

We are already Living Together. Now. Here.

英語よくわかってないから、英語的に文法とかおかしかったらすみません(笑)

ライブのなかで気づいたのです。HIV/AIDSという問題を超えたところでも、このフレーズはいま、僕の心をゆさぶっているんだ。

国境、命をこえて、ライブで音楽で表現をするということ、シンプルなフレーズでも本気で向かい合ってきた人だけが、つたえることが出来る、向い合ってきた人にだけ、つたえることが許される、そういうメッセージとはこういうことだと、僕はそのとき感じたのでした。

愛のうた。彼らが歌ったこの曲。リンク先に歌詞があるけど、実際、僕がライブで聞いたものとは違う歌詞です。アレンジされてました。

何も知らずに何も聞かずに、歌詞だけ読むと、うっかり心を通りすぎてしまいそうなシンプルな言葉だけど、あの場所でTHINK ABOUT AIDS……みんなでHIVとエイズについて考えて、その場所に、自分の向き合いかたを考え続けていた僕には、突き刺さるようにひびく歌でした。

すっかりファンになってしまった僕は、帰宅してからさっそく検索。

すると、乙武洋匡さんが、FUNKISTの熱狂的なファンらしく、自身のウェブサイトで、ボーカルの染谷西郷さんによる文章を掲載していました。

紹介します。

乙武洋匡公式サイト: FUNKIST
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 vol.1
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 vol.2
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 vol.3
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 vol.4
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 vol.5
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 vol.6
乙武洋匡公式サイト: FUNKIST連載 最終回

THINK ABOUT AIDSというイベントは今回でファイナルになってしまって、それはとても残念だけど、またかたちをかえて次につなげてほしいなと思います。

思わずFUNKISTのことばかり書いてしまったけど、HIV陽性者の手記の朗読なども行われました。朗読はみなとても素敵でしたけど、特にMEGUMIさんなんかはトークがいい感じでした。

MEGUMIさんはゲイの陽性者の手記を朗読したのですが、「コンプレックス」という言葉をキーワードに、ひとに理解してもらえることの喜びを話していました。

向井理くんとかはHIV/AIDSについて、これからイベントをきっかけにもうちょっとリアリティみたいなものを感じてもらえると嬉しいかな、という感じだったけど(;^_^A でもこういうイベントに出席して興味関心をもつことも大事なのかな、とも思います。

このイベントの様子はラジオで放送予定です。

TOKYO FM 12月23日(木)16:00から17:30まで。

FUNKIST
ポニーキャニオン
発売日:2010-06-16