2011年1月9日日曜日

インド、イギリス、日本、そしてタイにひろがるカレーというフードビジネス

カレーライスはイギリスから日本に伝わったものです。明治時代のことです。

カレーのルーツといえばインドだと考えられています。確かにそれは間違いではありません。でも、イギリスから日本に伝えられたそれは別物。すでにインドの「カリ」とは似ても似つかぬものになっていたそうです。


イギリスから日本に伝えられたものは、実はインドカレーよりもむしろ、イギリスの伝統料理であるビーフシチューに近いものだったといいます。

インドにはそもそも「カレー粉」というものが存在しませんでした。インドにおける「カリ」とは複数の香辛料を使用したインドの食事そのものを指すことばでした。カレー粉をくわえて作る「カレー」という特定の料理が存在したというわけではなかったのです。

インドから複数の香辛料がイギリスにつたわったとき、イギリスの家庭には、複数の香辛料を使いこなす技術がありませんでした。そのため、あらかじめ複数のスパイスを調合したものが、C&B社によって発明されたというわけです。これが「curry powder」です。

「カレーパウダー(curry powder)」すなわち「カレー粉」。これを発明したのはイギリスです。糧食としてビーフシチューにカレーパウダーを添加したものをイギリス海軍が採用したことから、それが旧日本海軍を通して日本に伝わりました。

また、そのルーツを汲んだ「海軍カレー」は海上自衛隊にて秘伝のレシピとして脈々と受け継がれているそうです。ネットでは「自衛隊カレー」が特に話題を呼んでいますね。

ところで、インドには「カレー」は存在しないのか。というと、そういうわけではないのです。

旧宗主国であったイギリスが、インド料理をスパイスを多用したインドの「カリ」を「カレー」として世界に広めたことが原因で、そのインドは「カレー」ということばを逆輸入しました。そのため、インドの観光客向けレストランなどでは「カレー」と呼ばれているのです。

インドの伝統料理でありながら、僕たちが普段食べているカレーは「実はイギリスから輸入されたビーフシチュー&カレーパウダー」だった……。

さて、実はさらにこれには続きがあります。

日本のカレーはさらに独自の進化を遂げて「日本風カレー」というひとつのジャンルを持っています。

この日本風カレーを輸入して、さらにその国独自のかたちに進化させはじめている国があります。

それは、タイ。

日本にもタイ料理店が数多く存在し、そこれココナツミルク仕立てのグリーンカレーやイエローカレー、レッドカレーを食べたことがある方はたくさんいらっしゃるはず。

しかし、実はこれらは現地で「カレーライス」を注文しても出てこないそうです。

僕たちが日本のタイ料理屋でよく知っている「グリーンカレー」などの「タイカレー」は、現地では「ゲーン」と呼ばれています。これはココナッツミルクじたての汁もの料理全体をさすことばです。英語で「タイカレー」と言うので、カレーの一種かと思いがちです。

が、しかし、インドに端を発する「カリ」「カレー」と「タイカレー」にはほとんど関係がありません。ココナッツミルクを使った汁ものとして、タイの宮廷料理に端を発する独自のスパイシーな伝統料理なのです。

では、タイで「カレー」とは一体何か。

実は、日本から輸入された日本風のカレーのことをいうのです。現地では一般的な食事になっていて、一般の食堂でカレーを注文すると、日本風のカレーがでてきます。

さて、このようにカレー文化が独特のかたちで継承されたタイ。

この国にビジネスチャンスを感じ、『本物の日本カレー』を安く提供しよう――そう考えた日本人がいます。

タイで一番美味くて安い本格日本カレー屋を自称する、AKIRAさんです。

タイでの日本食は基本的に高価。駐在員や現地の富裕層たちだけが日常的に「和食」を楽しんでいましたが、これを一般のタイの人々にも楽しんでもらおう。

カレーの粉物ビジネスとしての特性を生かし、そして店舗を持たずにフードコートへの出店というかたちをとることで、「安くたべられる本格日本料理」として「日本風カレー」をタイに持ち込む――。

タイで一番美味くて安い本格日本カレー屋『Magic Curry.Jr』のブログ

この「Magic Curry:Jr」は六本木にある「Magic Curry」の姉妹店です。

カレーを中心に日本料理の提供を広げ、カツカレーの好評を受け、カツサンドやカツ丼といった日本でも馴染みの料理の提供もはじめられたそうです。

日本のコメを使ったカツ丼は、タイでも好評のようです。

単身タイにわたり、日本のカレービジネスを世界に輸出。めちゃくちゃかっこいいですね。

タイと言えば、バンコクがアジア一番のゲイ・パラダイスとしても知られているそうなので、旅行先としても興味津々です。

行く機会があれば、タイの「Magic Curry Jr.」で日本発のカレーライスを食べてみたいですね。

ロケットニュースさまの記事から。

現地で親しまれていることを感じながら食べるそのカレーは、またひとあじ、親しみのあるカレーライスとは違うのか、それとも、同じ味なのか。

カレーは好きかい!?(←あきらさんの真似してみました)