2011年5月21日土曜日

capsule新作「WORLD OF FANTASY」はドライブミュージックの十年後を獲得するのかも

前回に続き、今回もcapsuleニューアルバムの話です。前回の記事も是非読んでください。

東京と実家を行き来するとき、僕は夜行バスに乗ります。

「キングオブ夜行バス」の異名を取る「はかた号」という長距離夜行バス。当然、途中のインターチェンジでトイレ休憩を取るのですが、そこで売られていたCDに「おっ」と思ったときの話です。

インターチェンジのコンビニ、そのCD売場では、ノンストップリミックスのユーロビートやトランスが、かなり懐かしいものまで揃っているのです。主にエイベックス系の作品です。

ははあ、なるほど。長距離トラック運転手がターゲットのCDなのか。すぐに合点が行きました。

そのインターチェンジは真夜中にもかかわらず人でごった返していて、僕らのような夜行バスの搭乗者もいましたが、それ以上に長距離トラックの運転手と思われる人が多くいたのです。

トラックの運転中に音楽をあれこれ選んだりするのは手間なので、ノンストップ。そして、睡眠を煽るようなヒーリングミュージックめいたものは避けて、アップテンポでかつBPMの高い曲が好まれるのかもしれません。

実は僕は、かつて佐川急便の荷分けのアルバイトをしたことがあります。肉体的にはかなり重労働なその仕事。その荷分け所にも、常に大音量で音楽がかかっていました。やはりかけられていたのは、エイベックス系のglobeやMAXといった懐かしめのユーロビートやトランスです。九十年代のクラブミュージックが中心なのです。

こういう系統の音楽って、クラブミュージックやダンスミュージックに分類される音楽ではあるんですけど、いま実際に都内のクラブとかでかかっているかというと、相当厳しいんじゃないでしょうか。そういうコンセプトのイベントでもなければ、さすがに。

しかし、そういう一周回ってしまったような曲たちが、クラブのフロアを離れて、長距離トラック運転手たちの文化へ馴染んでいることに、クラブミュージックのミュージシャンは注目するべきなのかも……とも感じました。

さて本題、capsuleニューアルバム「WORLD OF FANTASY」の話なのですが、まさにこのアルバムも、そういう市場を十年後、二十年後に再獲得できるアルバムなのではないだろうか、と僕は考えています。

まだ発売前なので断言はできませんが、すでに先行している音源の情報やBPMなどから考えると、今回のアルバムはノンストップミックスではないかと僕は推測しているのです。

景気が低迷しているとはいえ、インターネット通販の影響などで、流通の市場は拡大する一方だし、長距離トラックの台数はこれからも一層増えていくはず。

ケータイ音楽プレイヤーとの連携機能など、カーオーディオの性能もあがっています。今回、capsuleのこのアルバムがパイオニアのカーオーディオとのタイアップを獲得したことは、大きいような気がします。今後、ドライブミュージックの市場にじわじわとボディブローのようなかたちで影響をもたらしていくのではないでしょうか。

十年後には、クラバーあがりのトラック運転手たちが、ノンストップでこのアルバムを聴いているんじゃないか――僕にはそんな気がします。



capsule
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
発売日:2011-05-25




Perfumeでの新作「レーザービーム/微かなカオリ」も要チェックですね。