2011年8月20日土曜日

鏡月グリーンの「東海」表記問題でサントリーを責めるべきとは思えない

僕は以前からサントリーという企業のファンです。

日本に飲料を扱う会社は数あれど、この会社ほど酒や水やソフトドリンク、そして何よりも文化を愛した企業は他にないと思うのです。


ただWikipediaのページを見るだけでも、じゅうぶんにそれがわかる。サントリーホール、サントリーミステリー大賞、サントリー1万人の第九。サントリーと名のつく文化事業はまだまだある。

もちろんそれだけではない。酒という文化の詰まった飲み物を長年扱い続けてきたこの企業ほど、それぞれの国が持つ文化に対する愛着を大切にしてきた企業はない、と僕は思います。

多くの事業を手がけてきた企業ですから、不手際になってしまう事業のひとつやふたつはあるでしょう。けれどそれをもって、他の多くの素晴らしい事業が否定されることがあってはならない、と僕は思うのです。

サントリーが韓国の焼酎である「鏡月グリーン」のウェブサイト上で「東海(日本海)」と表記したことが問題になっています。



そもそもこれは韓国の焼酎である鏡月を、韓国の古い詩を引用しながら紹介する文面で、韓国側からみた呼び名が用いられているだけです。

そこに韓国側からみた呼称がつかわれることは至極まっとうなことでしょう。それをもって、地図上での海名表記を否定することにはまったくもってつながらない、と僕は思います。むしろ、雪岳山などの韓国の地名がならぶ酒の紹介、その古い由来の語りのなかに、日本海という呼称が出てくるほうが、風流を損なうというものじゃないんでしょうか。

地域や時代によりそった名称を、文脈ごとに使い分けることを、文化の尊重と呼びこそすれ、これをもって売国企業などというのは、それこそ恥というものだと僕は考えます。

サントリーがすみやかに今回の騒動に対して謝罪し、あくまで広告上の表記と断った上で、地図上の表記を巡る問題についての立場を尊重する姿勢を見せている以上、この件でサントリーを責めるのはお門違いです。

鏡月ブランドサイト内の表記について
http://www.suntory.co.jp/guide/20110819/index.html

むしろ、これをきっかけに、サントリーが行って来た社会貢献、文化貢献の取り組みに敬意をむけてほしいと思うくらいです。数多くの文化貢献が、たったひとつの表記の争いに無視されてしまうとしたら、それこそサントリーのみならず文化貢献や社会貢献活動に対する多くの企業の意欲をそぐというものです。

確かにサントリーには多少落ち度があったのかもしれません。地名の表記というものが、国民感情に与えるものを斟酌する必要にも気づいていたほうが良かったかもしれません。けれど、大事なところはそこではないはずです。

領土や領海をめぐっての日韓関係の問題で言えば、議員の入国拒否問題などのほうこそ議論を深めるべき問題であって、日本の愛すべき企業を無駄に貶める必要などその数十分の一の価値もない話題というのが僕の意見です。

僕はこの鏡月が好きです。

新宿二丁目のバーでもこの焼酎が多く扱われていますが、この鏡月の透き通るグリーンの四角いボトルが一列に並んでいる棚は、僕にとってとても愛着の深い光景です。ボトルキープの名前を、透明なグリーンのガラスに書き入れる楽しみは、書いたことのある人にしかわかりません。


僕は一度お茶割りで飲み続けたときに悪いことがあってから、鏡月は水割りでしか飲まないと決めているのですが、あの独特な、鼻から口に抜けてすっきりとした飲みやすく安い焼酎は、僕の思い入れの強い強いお酒のひとつです。

サントリーがいかに酒と文化を愛してやまない企業なのか。一聞は一見に如かず。

BAR-NAVI(バーナビ) - ウイスキー、カクテルなどのお酒が飲めるバー検索サイト
http://bar-navi.suntory.co.jp/

このサイト、読み物もかなり充実していて、僕のオススメのサイトのひとつです。