2011年8月22日月曜日

鹿野道彦農水相とは何者か―電力利権に立ち向かえるたったひとりの次期首相候補

後継首相となる民主党代表候補が、続々と出揃ってきましたね。

枝野幸男内閣官房長官、前原誠司前外相、仙谷由人全内閣官房長官、野田佳彦財務相、岡田克也民主党幹事長、海江田万里経産相――

報道では前原さんが人気トップということですが、どうにも僕には信じがたい人気調査です。

前原さん、名前は確かによく知られている人ですが、彼を支持する理由をどうにも見つけられません。

前原さんと仙谷さんは、かつて東電&原子炉メーカー(東芝、日立、三菱重工)を引き連れて、ヴェトナムに原発を売り込んだ人です(ちなみにヴェトナム政府は原発事故後もその事業を継続する意向)。

僕は、このヴェトナムとの原発取引自体を批判する気は起きません。しかし、少なくともこの二人を次期首相にしようとは到底思えないというのが正直な考えです。

かつて原発を売り込んだこのふたりが、原発や放射性物質や電力利権の取り扱いについて、厳しい姿勢で取り組むのは難しいはずです。

逆に言えば、前原さんや仙谷さんを次期首相にと推している人たちというのは、いかなる立場の人々なのかというのが想像できます。

今回、震災後の政治の動きからは、電力利権とは何かということをまざまざと感じさせられました。

海江田万里経産相が「原子力損害賠償支援機構法案」――通称「東電救済法案」を押し通してしまったことも、そのことについてマスコミが十分に報道を行わなかったことも。ただ政治を眺めているだけの人間には、納得のゆかないことばかりです。

問題は、次の民主党代表――すなわち、菅首相の後継となる次期首相

次期首相には、こういった利害関係に適正な距離をとりながら政策を扱える人物を推したいですね。

僕は、鹿野道彦農水相こそ、それにふさわしい唯一の人物という気がします。



以下にその理由を列挙します。

  • 農林水産大臣として、諫早湾干拓事業の漁業被害問題などを担当しており、水産予算の改革に意欲を見せているなど、漁業政策などにも詳しい人物。今回の原発事故による最大の被害者ともいえる、農林水産関係者の声を政治の現場に届けられる人物であるといえる。
  • すでに漁業の復興特区政策など、復興のための様々な政策に取り組んでいる。
  • かつては自民党に所属し、新党の結成などを経て、民主党に合流。運輸政務事務官などの経験もあり、民主党の中でも数少ない経験豊富な政治家である。
  • 実務や事務方の手腕に長けていると評価が高い。
  • (僕が調べた限りでは)次期首相候補に挙げられた人物の中で、もっとも電力利権と距離をおいた人物だと考えられる。震災後、孫社長が提唱した自然エネルギーについての会議にも参加し、原発を縮小する方向での自然エネルギー議論を評価している。
  • 原子力損害賠償についての東電の姿勢を厳しく批判している。東電が汚染水を海へ放出したときにも、すみやかに抗議をして、海江田万里経産相に東電を厳しく指導するように求めた。

鹿野さんは、あまり政治的に過激な発言や失言は多くない人です。

逆に言えば、候補者の中でも「地味」と思える人物なので、首相としてのリーダーシップを持ち得る人なのかという疑問はありますけれども、政策や立場を考えると、きわめてまっとうな首相候補ではないだろうか、という印象です。

ただ、鹿野さんにも汚点がないわけではありません。

かつて、秘書給与をめぐる収賄問題で追求されたことなどが汚点として挙げられます。しかし、そのことを差し引いたとしても、候補者の中でもっともふさわしい人物と言えるのではないかと感じています。